2010/05/28

Tears in Rain



"I've seen things you people wouldn't believe.

Attack ships on fire off the shoulder of Orion.
I watched C-beams glitter in the dark
near the Tannhauser gate.

All those moments will be lost in time,
like tears in rain. Time to die. "

映画「ブレードランナー」の美しく儚いこの台詞に
心を動かされた人も多いと思う。

信じられない様な美しい経験も恐ろしい経験も
時がくれば雨の中の涙の様に消えてしまう、という。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」はまだ読んでいないので
ディックの小説の中の世界がどのような物か知らないのだけど
この台詞から、壮大で冷たい静けさの世界を想像出来て
なんとも言えない、哀しさと高揚感を感じる。

2010/05/25

Just Ice



NHK教育テレビで毎週日曜日、18時から1時間放送の
「ハーバード白熱教室」、相当な頭の体操になる。

ハーバード大学であまりにも人気があり過ぎて
ついに公開になったと言う「政治哲学」の講義。
テーマは「正義」。

最初の方の回を見逃し、5回目からDVDに録りためて見ているけれど
Youtubeでも最初の回から全てアップされていた!
なんてありがたいんだろうか。

途中からだと、ちょっと分からない部分も多かったので。
というか、そもそも付いて行くだけで精一杯なんだけども。

第一回目の講義で、生徒に質問する事柄は

『あなたは時速100キロで走る路面電車を運転していて、
ブレーキが壊れている事に気付く。前方には5人、作業員が居る。
(衝突は絶対に避けられないと仮定する。)

その時、退避線路が見えた。そこにも1人作業員がいる。
そちらにカーブを切れば、その1人を轢いてしまうが
5人は助かる。

さて、あなたはカーブを切り、1人の犠牲者を出すに留めるか
それともそのまま真っすぐ進み5人の犠牲者を出すか。』

と言うもので、そこから講義が始まる。
面白そうでしょう?

本当に難しくて、一瞬でも気を抜くと、
何の事やら訳分からなくなるけれど、ハマる。

またジェフの話題でアレですが、前回の講義で
「手段としての目的では無く、
目的そのものの為の目的がどうのこうの・・」という話になっていて、
それってジェフ・ミルズの『Purpose Maker』じゃないかと思い、
まさかジェフはイマヌエル・カントとかからヒントを得たのではと
本当に、どんなDJなんだという驚きがありました。

ジェフとか、この授業の生徒として居ても何も違和感無いもの。

知的好奇心を満たしたいあなた、是非これで脳トレを。
マイルスも言う様に、知は自由への道であるので。

2010/05/19

Jazz is the teacher



最近、再びジャズについて学び始める事になりました。

MODEL500にもJazz is the Teacherという曲がある様に、
そしてCarl Craigのライブでは、バックスクリーンに
マイルスだのチャールズ・ミンガスだのが映し出される様に

デリックが自分達の音楽を
「ハイテック・ソウル・ミュージック」と言うからには
ジャズは必ず、体を持ってして知るべきものだなあと思って
再び始めました。

それで、パーカーの伝説に関しての本を早速図書館で借りて、
それはどういう本かと言うと、パーカーに関しての思い出を
錚々たる面子の人々が語って行くという本。

その中の、
エドガー・ヴァレーズの部分が一番読みたかったのだけど
これは結構感動的でした。

内容もさることながら、
ヴァレーズの紹介文に熱くなってしまった。

「右翼とかリベラルとか左翼とかの区分けは下らない。
翼は翼でも私は自分の翼で自由に飛ぶ」

ひょー!
という感じです。

とは言っても、私は現代音楽にはノータッチで
ヴァレーズの音は知らなかった。
今は便利ですぐ聞けるので、良いですね。

学生の頃、現代音楽の演奏会の
チケットも切りをする機会が何度かあって
そのときは仕方無くなじみの無い現代音楽を聞くはめになって
参ったなあと思ったのだけど
次第にその音、音色の楽しみ方を見つける様になった。

喫茶店で働いてたら、
珈琲がブラックで飲める様になった感じ、というか。

音を楽しむ事自体を、早いうちに知っておくのは良いかもしれない。

ヴァレーズの音楽に、あそこまでパーカーが憧れて、
音楽を教えてくれたら召使いになる、とまで言ったのは
パーカーの目指すものを知る上で、結構な足がかりになりそう。

目指そうとしていたものには、すごく興味がある。
きっと、多彩な音色がふくよかに重なる様な音楽なんだろうなあ。

ジェフの音楽とか聞いたら、すごく喜ぶんじゃないかな。


2010/05/14

Room for Imagination



MoebiusのArzak Rhapsody、これまた最高でした。

最高、最高としか言えなくてお恥ずかしい所ですが
言葉ではなく体の動きで「最高」を説明すると
眉を寄せて歓喜の声を出す感じ・・ですかね。
特に、これだ!っていう音楽に対してはそれが平均的な「最高!」の表現かな。

おいておいて、
アルザックはバンド・デシネの本は持っているのですが
そちらはセリフがほとんど皆無で、あったとしてもドイツ語だし
意味はほとんど分からない、という感じです。

対してアニメの方は、これがまた美しいというか
独特過ぎる少ない言い回しで、やはり意味は分からない物語が
1話3分ほどで14話続くという感じのものです。

一枚の絵にこういう物語が込められていたのか、という面白さもあるし
全てを説明しない、何ともスタイリッシュな言い回しと
想像力を掻き立てる物語が、唯一無比な世界観を放ちまくっていました。

デ・キリコやエドワード・ホッパーが大好きなのも
何か言いたげな、想像を膨らませる余地があるからです。

やはり中学時代、エンヤを聞きながら宇宙に想いを馳せていた影響か。

2010/05/10

Invention



"Manuel Göttsching, the man behind E2-E4
and head of legendary bands Ash Ra Tempel & Ashra
in concert at Metamorphose performing his famous composition
INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR with 3 guitar friends."

今年のメタモルフォーゼにマニュエル・ゲッチングが来るそう!
INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITARを
3人のギタリストと共に演奏、との事。

毎回違う方法で、絶えず音楽を探求しているマニュエルの姿勢は
発明家である父親から受け継いだものであるに違いない。
それは私に沈黙の努力を想像させて、
どんな事にも挫けまい!という希望が湧いてくる。

この、野口聡一さんの宇宙から写した街の写真の様に。

「インベンション」とは
バッハなんかで自然に馴染んだ形式の名前だけれど
「創意・工夫」と言う意味があると言うのは知らなかった。

さて、一昨日人生3回目DJ終わりましたが
少しずつ自分のプレイがどんなにヒドいか分かる様になって来ました。
ショック!
でもこれも成長です。努力あるのみ!

狩猟採集民だったヒトも、ここまで発展して来たんだからね。

更に、最強のMP3レコーダーを手に入れたので、
「プレイバックは必ず聞け」と言うマイルスの掟に従って、
研究あるのみ。

2010/05/05

Hiroshi Watanabe/Kaoru Inoue@club asia


少し前の事になりますが
デリックの鬼プレイ後、中一日あけて
今度はHiroshi Watanabeさん(kaito)
井上薫さんを観にclub asiaへ。

これがまたとんでもなく最高な夜でした!


日本に世界に誇る素晴らしいミュージシャンが沢山居る事をすごく実感しています。

Hiroshi Watanabeさんは、この前のmoduleより広いasiaで聞けて更に最高だった!
もはや感動の余韻しか思い出せないのだけど、、
もの凄く繊細だなあ、と感じたのを覚えています。

音が繊細に、でも確実に変化していくので
いつのまにか多彩に音が編まれていって、世界が太く深く開けて行く様な。
あの、世界の開ける感じは凄い。

世界が開けると言えば印象的だったのが
最近テレビで観た「マゼラン海峡」を発見したマゼラン船長のエピソード。
想像を絶する苦難の航海の後、太平洋に続く海路を見つけ
大海が目の前に開けた時、屈強なマゼランでも思わず涙したそうな。

目の前がバッ!と開けると、誰しも感動するでしょう。
そういう感動を与えられるのがミュージシャンの力だと私は思います。

井上薫さんも相変わらず、最高!疲れてるのに体が止まらなかった・・。
お客さんがオイオイ騒ぎだすと、途端に低音をしぼって
オイオイを強制終了してた様に思いました。さすが!

++++

さて、アルバム制作についてお知らせです。

本当はHPできちんと報告したかったですが、
今HPの方は休眠状態なのでblogにて。

私にとって、本当にただただ嬉しい事ですが、
今回アルバムをHiroshi Watanabeさんにプロデュースして頂くことになりました。
上でも書いた通り、世界でも活躍されている名実共に素晴らしい音楽家で、
今でも少し信じがたいほどです。

まだまだ始まったばかりですが、素晴らしいものになるように
そして新しい世界が開けて行く様に努めて行く所存であります。

押忍!

写真はkaito:and that was the way